オープンデスクという文化

設計事務所の習わしオープンデスク

それが適切ではないと事務所の人たちもみんなわかってるのに無くならない

 

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オープンデスク:設計事務所が行うインターンシップ

実施する人:設計事務所

(将来の建築人育成のために事務所を見せる)

参加する人:建築学生

(就職先の検討の一環として参加して事務所の実際の働き方を見る)

やること:模型製作、図面作成 等

実態 作業員

学生は夏や冬のまとまった休みに、2週間や1ヶ月の単位で単位で事務所を手伝う(事務所に通う)

就業体験だから、実際の作業をしてもらう。

模型を作る

ほとんどの場合ひたすら模型を作る。模型、模型、模型、模型。

 

事務所の雰囲気の柔らかいところだと、雑談的に進行中のプロジェクトの話だとかを聞ける。

この雑談、楽しいんだよ。事務所スタッフが嬉々として話してくれる。

ここはカフェかな?って雰囲気になる。

(ピリピリした事務所だと、緊張感で死にそうになるけれど)

 

模型は精度を求められるし、作るのに時間がかかる。

ひとりで一つの模型を作り上げる時もあれば、他校生とチーム制で模型製作に取り組んだりする。

 

PC得意ならプレゼン資料作成

事務所スタッフは実務に忙しく、雑誌掲載用の資料やコンペ応募資料など作れない。

オープンデスクでもその実力があるとわかれば、プレゼン資料や図面作成に回されることもあった。

 

スタッフに使えるオープンデスクだと思ってもらえたら、スタッフ採用に近くなるから、みんな頑張るよね…。

 

好きな作風の事務所に行けたら万々歳。

せめて自分の嫌じゃない作風で、スタッフとも上手くやれる事務所探し、その一貫。

オープンハウスの案内係

事務所が手掛けた建築の内覧会=オープンハウスを行う時の、案内係、受付など。

これは楽しいお手伝い。実際の建築が見れるし、建築について教えてもらえる。

知り合いの建築家が見学に来て、おおっと思ったり、そこで話しかけて、次につなげるような行動をする学生もいる。

イケイケ人気の設計事務所のオープンデスク

人気の事務所はオープンデスク生がたくさんいた(常時10人くらい)

大卒で構成されているから学閥みたいなものがあった。
ひたすらマンション模型のエアコン室外機を切り出していた。
スタイロフォームで(生花で花を指す土台ような硬いスポンジみたいなやつ)

この事務所は今でもイケイケの人気事務所だけど
当時オープンデスクを束ねるのもまたオープンデスク生で、人気建築家の事務所に出入りしているというおごり?自信?がすごかった。

私が社会人あがりということを知って「このサッシを選んでくれる?」と分厚い実務用カタログを渡されてびっくりした。

詳細を決めないとと出来ないから質問をくり返したら「やっぱりいいや」で終わった。
その子もよくわかってなかったんだな。そんなレベルだったりする。

人気で忙しくて人手が足りなくて、

プロジェクトの夜間搬入の人手を「オープンデスク生リスト」からピックアップしていたのはちょっと引いた。

人気がゆえになかなか荒々しくて、とても好きな建築家だったけれど、1週間でお暇した。

ほんとに無給

交通費すら出ない。

お気持ち程度に出してくれるところもあったりはするけど。

ただ働きなら参加しなけりゃいいのに、なんだけど、それなりに利点もある。

メリット

オープンデスクをしないで事務所に行くのは「大丈夫?」と思ってしまうくらいに、私もきちんと洗脳された。

オープンデスクだからこそ得られる情報がある。

 

リアルな職場を知ることができる

オープンデスクで事務所の中を見れるということはものすごく大事。

どんなスタッフがいて、どんな進め方をしているか。見てやっと決められる。

嘘のないリアルな就業体験。入社前後のギャップなし。透明性がすごい。

 

事務所がハードワークなら、せめて状況くらい前もって確認しておきたいという心境。

 

一般企業のインターンシップの妙に丁寧な感じ、実際は入ってみないとわからないという変なイベントよりも、

事務所のオープンデスクの方が見たままの職場で、入社前後のギャップが少ないのはいいと思う。

 

「それでも入りたい」という人たちをふるいにかける機能も果たしている。

課題をプレゼンし評価してもらう

これは私が実際にしてもらったこと。とても真摯な事務所だった。

「せっかくオープンデスクに来たのだから、あなたの作品を見せて」

こう言われたから出来たものの、声をかけられなかったら、ただ模型をつくっただけで終わっていたかも。

 

建築家とスタッフ全員の前で、その時取り組んでいた設計課題のプレゼンをした。

全員から淡々と延々とダメ出しをされて、帰りはショックのあまり友人に震えながら電話した。

 

そのダメ出しは参考にする程度で、時に変更や修正はしなかったけれど

(学生とはいえそんな時間はなかった、次の課題で手一杯だ)

オープンデスクに行った中でいちばん有意義だった。

 

無給で手伝ってもらっている、という認識は事務所側にもあるから、

課題を見てくださいと打診すれば時間を作ってもらえると思う。

むしろ喜ぶはず。めちゃくちゃ。

対価があればすてきな文化

学生の知りたいと、事務所側の伝えたいは一致しているし、マッチング的には最高だと思う。

 

だからこそ事務所の「考える」仕事以外は仕事じゃない、というスタンスはもう時代に合わない。

だから閉じられた世界なんだけれど。

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